ご挨拶
およそ200年前(江戸・天保元年)より味噌造りに携わる当家は、京料理を脇で支える醸造家としてこの道を歩んでまいりました。
私たちの味噌造りは、守るべき「滋味」や「醸法」は頑なにして、お客様から求められる「味噌」をその時代(とき)時代(どき)に応じて推し量りながら、或いは変わる事も厭わずこれからもずっとお届けしてゆくこと。この「不易流行」ともいえる姿が「本田の味」であると思っております。
日本料理は「水の料理」または「だしの料理」と言われています。
その特徴の一つとして、素材にあまり手を加えず、選ばれた食材そのものの風味・良さを引き立てる繊細な調理法があり、またその日本料理を支える重要な調味料のひとつが『味噌』です。味噌は醤油や酢とならんで、日本人が千年以上に渡り、親しんできた伝統的な醸造調味料です。
味噌は、大豆、米、食塩を主原料とし、これらの配合割合と熟成期間により、日本各地の気候や風土に根ざした多種多様な味、色、風味を醸します。
原材料のほぼ全てが製品となり、絞りかすなど食品残渣が少なく、少量なら家庭でも作ることが出来るほど製造工程で大きなエネルギーを必要としない「自然」で「繊細」な、まさにこれからの時代に欠く事のできない食品ではないかと思っております。
良質な味噌造りを追求し、ほんまもんの逸品をお届けすることで、これからも京都の食文化である「西京白味噌」を守り伝えていきたいと願っております。